【建築専門用語集】#01”墨出し(すみだし)”って何?


 

墨出しとは

現場の床や壁に「実物大の設計図」を描く作業のこと。

どんなに素晴らしい設計図があっても、更地やコンクリートの床面のままでは、職人はどこに柱を建て、どこに壁を建てればいいのか分かりません。

そこで、実際の現場に「ここに壁がきます」「ここが柱の中心です」という目印を原寸大で描いていく、超重要かつ最初のステップが「墨出し」です。

1.墨出しの基本手順

まず覚えておきたい基本の流れは以下の通りです。

  1. 「基準」を見つける・決める

    • 建物の基準となる点(通り芯・親墨)や、高さの基準(建築基準の床面から1mの高さなど)を確認・設定する。

  2. 墨を弾くポイントをつける/罫書く(けがく)

    • 図面から壁や柱の位置を確認する。(通り芯や親墨からの寸法を確認することが多い)

    • レーザー水平器も使用し直角や平行等も確認する。
    • ポイントをつける際は、鉛筆orマジックペンでVの字を描く。(Vの字の交点がポイントとする)
  3. 線を引く(墨を弾く)

    • 2人で糸の両端を持ち、ピンと張って床に弾いて墨を落とし線を引きます。

3.墨出しの種類

現場ではいろいろな墨の呼び方が飛び交います。まずはこの2つを押さえましょう。

墨の種類読み方役割・意味
地墨じずみ床面に引く線。壁の位置や柱の位置を直接表します。
陸墨ろくずみ水平を表す線。高さの基準(床から1mなど)になり、天井や窓の高さの基準になります。
よく「メーター墨」と言われることがあります。
親墨
(基準墨)
おやずみ
(きじゅんずみ)
建物の位置や高さのすべての基準となる、現場で最も重要な「命の線」
寄り墨よりずみ柱や壁の「仕上げ面」から、一定の距離(300mmや500mmなど)を離して引く補助線です。
実際の壁の位置に墨が引けない場合や、仕上げで隠れてしまう場合に重宝します。
返り墨かえりずみ障害物などで基準の墨が見えなくなることを見越し、
あらかじめ反対側や別の場所へ一定距離(1mなど)移動させておく墨です。

4.墨出し作業で使用する道具

  • 墨壺(すみつぼ
    “墨”を入れるものと”チョーク”を入れるものがある。(最近ではインクを使用するものもあります。)
    基本は墨を使用する墨壺を用意しておきましょう。
    墨の色も黒・朱(赤)・青と何種類かあるので、墨壺も2~3個持っていいると便利です。
    自動で糸を巻き取ってくれる自動巻きがオススメ!
  • スケール/コンベックス
    よく使用するのは5~5.5m巻きのもの。
    現場が広い時は7~10m巻きのスケールが便利です。
  • レーザー水平器(受光器)
    ジンバル式(振り子・磁器制動)と電子標準式(センサー・モーター制御)の2種類があります。
    さらにレーザー色も赤色や緑色のものがあります。
    どちらが良いとかは好みが分かれますが、フルライン照射(水平360度、垂直4方向)がオススメです。
  • 差金(さしがね)
    30cm程度の大きさの差金を1~2本携帯していると便利です。
    直角を確認したり、壁下地の墨を罫書くときによく使用します。
  • 鉛筆/マジックペン
    シャーペンでもOK。芯の太さは好みが分かれますが、私は0.7~0.9mmのHBを使用しています。
    マジックペンも細芯と太芯の両方を持っていた方がいいです。
    鉛筆やシャーペンでは書けない/見にくいところ、
    大きく表記する文字(通り芯、下地の止まりの記号等)を描くときに重宝します。
  • 刷毛/左官刷毛
    床に埃やチリがあり、墨がつかない面にサッサと掃除ができて便利です。

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